ヨーロッパでは、古くから、恋人同士が愛を誓う日とされ、特に女性から男性へと限ることなく、愛する者同士がお互いにプレゼントを交換しあいます。贈り物はチョコレートと決まったスタイルはありませんが、愛のイメージにマッチするのか、チョコレートを選ぶ人も多いとか。
女性が男性に愛を告白し、チョコレートを贈るというのは、日本で始まった習慣。義理チョコや女性同士で贈る友チョコなんていうものは、日本ならではのものでしょう。商業ベースであおるチョコレートの販売合戦は、たしかにあまり気分が良くはありませんが、もともとチョコレートは、何千年も前から愛の媚薬として使われていたわけですし、ロマンチックな小道具にチョコレートを選ぶのは、とても自然のような気がします。それにこの時期は、ふだんは手にはいらない海外の有名ショコラティエのチョコレートが販売されたりするので、チョコレート好きとしては、とにかく幸せな季節です。
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その年によって日付は変わりますが、春分後の最初の満月の次の日曜日がイースター。キリストの復活と春の再来を祝う日です。イースターといえば、イースター・エッグ。生命の誕生、キリストの復活を象徴するものとして卵が使われ、その日は、卵形のチョコレートなどをプレゼントします。ヨーロッパでは、イースターが近づくと、街中のショコラトリーやお菓子屋さんのショーウインドウに、さまざまな工夫をこらした卵形のチョコレートが飾られるとか。うさぎもイースターのシンボル。うさぎが幸運のイースター・エッグを持ってくるという言い伝えがあるためです。うさぎを模ったチョコレートも見られるそうですよ。
日本では「エイプリルフール」と呼んで、たわいもないウソをついて楽しみますが、今のところ、何かをプレゼントしあう風習はありません。所変わってフランスでは、春の到来を祝う「ポワソン・ダブリル(Poisson D'Avril)」というお祭りの日。16世紀頃まで4月1日を1年の始まりとしていた名残で、家族や親しい人たちとの間でプレゼントを交換するそうな。「ポワゾン・ダブリル」というのは「4月の魚」という意味だそうで、この日は、お菓子屋さんの店先に魚の形のチョコレートが飾られ、みんなは、そんな遊び心いっぱいのチョコレートをお互いにプレゼントするんですって。
ところでなぜ魚なのかというと、一説によれば「4月の魚」はサバを指し、この時期のサバがあまりに簡単に釣れられちゃうのをからかっているのだとか。この日、フランスの子ども達は、紙で作った魚を背中に貼り付けあって悪戯するらしい。なんだか楽しそうですよね。
フランスでは、この日、親しい人にミュゲ(muguet すずらん)の花を贈る風習があります。すずらんをもらった人には幸運が訪れるとか。そして、お菓子屋さんのディスプレイには、チョコレートをすずらんに飾り付けたものや、すずらんをモチーフに作られたチョコレートなどが並ぶそうです。すずらんの花言葉は「幸福の再来」「純粋」。別名を君影草。素敵でロマンチックな風習だと思いませんか。
春といえば、さまざまな虫が命を謳歌する時期ですよね。ドイツでは、春を告げる虫はラッキーシンボルとされ、5月になると、お菓子屋さんの店先には、可愛らしい虫の形をしたチョコレートがたくさん並ぶのだとか。テントウムシはその代表格みたいです。
それにしても、ポワソン・ダブリルといい、ミュゲの日といい、ヨーロッパ、特に北ヨーロッパの国々では、春の訪れは人々にとってほんとうに大きな喜びなんですね。
ブラジルの「恋人たちの日(Dua dis Namorados)」。愛の守護者である聖アントニオの命日の前日であるこの日に、恋人同士でプレゼントを交換するそうです。ブラジルでは恋人同士がフォトフレームに写真を入れて交換しあうとか。日本ではまだあまり知られていないので、意外なプレゼントで恋人を驚かすのもおもしろいかも。
イエス・キリストの誕生を祝う日。日本では、直接チョコレートを贈る習慣とは結びついてはいませんが、ヨーロッパでは、この時期はショコラトリーが最も活気づく時期だとか。ちょっと贅沢に、ロマンチックに演出できるチョコレートは、クリスマスにもピッタリですよね。クリスマスとチョコレートといえば、チョコレートを使ったケーキの「ブッシュ・ド・ノエル」が有名。薪を模ったケーキです。
クリスマス限定のチョコレートも販売されるので、チョコレート好きは要チェックですよ。
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